涙海の恋砂 ~Love the tears sea sand~

作者SΗιΟЯι

大好きだった母親の自殺。顔も覚えていない父親との再会。数々の苦しみのなか、恋祢を支えてくれたのは、母親に連れてこられた島根で出逢った少年、惟鶴だった。



『ねぇ?この海はどうやってできたのかなぁ?』


幼い頃、あたしはママにそう聞いた。





『この海はね、島根の人の涙でできてるのよ。』


ママは優しく微笑んでそう答えたね。







『この海の砂はどこから来たのかな?』


それから10年たって、あたしは君にそう聞いた。



『この砂は、ここに住んでる人のキモチの結晶だが。』



君は何の迷いもなく、答えたんだ。



あたしがあのとき何度も流した涙はこの海になってますか・・・?




・・・あたしのあのときのキモチは・・この海の砂になっていますか・・・?