街の景色もすっかり寂しく
秋も終わりに近づいていた。
もうすぐ冬がやってくる。
1人寂しく病室の外を眺める少女。
その姿は儚げで
まだ幼くあどけない表情。
瞳だけは凛として、妙に大人びていた。
―私は、死なない。
絶対に死ぬわけにはいかない…―。
あれから四年
小学六年生だった少女は高校生になっていた。
彼女の名前は「愛」。
病院にいた少女は現在、ごくごく普通の高校生活を送っている。
もともと持っていた性格のおかげで今は儚さなんかみじんも感じられない。
他の人となんら変わりのない彼女…。
―愛の胸には
忘れたくても
忘れられない人がいた。
強く強く
胸にこびりついて
なかなか
取り去ることは
できなかった…。