野良狼と儚姫。

作者黒崎 紅蓮

いつもの公園。


でも今日はいつもと違う。


「…誰?」


「もうすぐ飢えて死にそうなだっさい男。そんな俺を拾ってくれない?お嬢さん」


「話が見えないわ」


公園に男が住み着いている。


これは以上だ。たぶん。


「簡単な話だ。お嬢さんが、俺を拾う。そして俺はお嬢さんの御厄介になる。俺、結構使えるよ?どう?」


そこで男のお腹がぐぅーとなった。


「ヤバい。死にそう。腹へって死にそう。拾って?」


「助けてじゃなく、拾って!!?まぁいいや。うちにおいでよ少年。御飯ぐらいはあげるわ」


この言葉をきっかけで、野良狼を拾った。