輪廻…何度でもぐるぐる回る。…そしていつも貴方に恋をする。
「頼みがあるんだけど」
驚いた。
一度も、私と正面に口を聞こうともしなかった彼が、下を向きながらでも私に語りかけたのだ。
「何?私に頼みって」
そんな驚きを少しも出さず、私は平然として聞き返す。
それでも黙って、私を見つめている。
決心を固めた、彼の口から出たのは、意外な言葉だった。
「赤いカーディガン買ってきてくれない?」
「はぁ?」