おっさん女子高生

作者歩莉

『人生なんてよ、ラベル貼ればその人生。幸せのラベル貼れば幸せ、不幸のラベル貼れば不幸。大体の人間は、不幸のラベルを貼って不幸を嘆く。突破口?教えてやるよ』


「もしも今、真っ暗になったったらよ、


何も見えない。

前にも進めない。


お前ならどうする?」



レナがそう言って私を見つめるが、答えが見付からず首を傾げた。



「考えるまでもない。

電気つけりゃいいのさ」



…電気あるんだ。


「お前は無意識に最初から電気がないって決め付けただろ?

…人の悩みなんてそんなもんなのさ」



ふざけてるのか本気なのか、この時の私はまだ、彼女の事を何も知らない。