12月の風が心を突き刺す。
何も変わらない一日の始まりに不安がつのる。
「いってきまーす」
私の名前は宮崎はるか。中学二年の帰宅部である。
最近は何も刺激のない毎日に嫌気がさしていた。
「今日も勉強か…」
と、独り言を言いながら玄関を出た。
「荷物はこっちにお願いします」
隣の空き部屋が妙に騒がしい。
「引越しか…」
私はその時、何も考えずに素通りしていった。
この引越しが私の生活に色を与えてくれるとも知らずに…
ねぇ~はるか!今日、転入生来るって!」
教室に入って最近に友達の上原彩子が言った。
「へぇ…どんな人…」
言いかけたとき、みんなが席についた。
先生は教卓の前に立ち口を開いた。
「えー。みんなの中にも知っている人はいるかも知れないが、今日このクラスに仲間が増える」
その言葉にどこからともなく歓声が出る。
「入って--」