あの寒い夏の日へ送る

作者

時は2003年初夏、物語の舞台は九州の小さな県。時間とともに忘れさったはずの過去と、飯田智幸(イイダ トモユキ)の魂のお話。

コダマ、コダマ……。


僕の、コダマ……。





1993年7月17日。


その日はたしか、とても晴れていて、


なのに、すごく寒くて、それをコダマと

おかしいねって笑って、


コダマと、ちょっと前から

楽しみにしてた信州博覧会とか言うのの

開幕式があって、


コダマと一緒に、

ジェットコースターに乗ったりして、


それから、本当に些細な事で

コダマと喧嘩して、


コダマが泣いて走ってって、

そのあと、謝ろうと思って追いかけて、

そして、コダマが、死んだ。


僕の、目の前で。


コダマ、ゴメン、ごめんね……?






 時は2003年初夏、物語の舞台は小さな小さな片田舎。時間とともに忘れさったはずの過去と、飯田智幸(イイダ トモユキ)の魂のお話。