何時からだろうか、僕は外の世界に憧れていたんだ。
小さい頃から聞きあきるぐらい聞いた昔話の中に、村の外れにある洞穴が、“外界”に繋がっていると言うものがある。
この閉鎖された村に不満を感じた事はなかったが、それをはじめて聞いた時の興奮は一時も忘れた事がなかった。
そして、今日。
十八を迎えた今日。
僕は、外に出ようと思う。