恋人たちの砂時計

作者浩詩

この時計にはね針がないの。恋人たちの砂時計はね、砂がなくなっても平気なの、ひっくり返せば二人の想い出だけが蘇るのよ。杏はそう言ってオレに砂時計を渡した。■浩詩■


砂時計の時計は止まっていても、



「この時計にはね、針がないの。」



「だから時間に縛られる事はないわ。」



「恋人たちの砂時計はね。


砂がなくなっても平気なの。」



「ひっくり返せば、


二人の想い出だけが蘇るのよ。」



杏はそう言ってオレに砂時計を渡した。



あの日、2007年7月7日 


オレはプラネタリュームの会場にいた。



オレの20歳の誕生日まであと3日。



オレはそこで、一人の少女に出会った。



やがてオレたちは恋に落ちた。