浩詩


小説『恋人たちの砂時計』


「この時計にはね、針がないの。」


「だから時間に縛られる事はないわ。」


「恋人たちの砂時計はね。

砂がなくなっても平気なの。」


「ひっくり返せば、

二人の想い出だけが蘇るのよ。」


杏はそう言ってオレに砂時計を渡した。



あの日、2007年7月7日 


オレはプラネタリュームの会場にいた…