総長、メシが出来ました!

作者らむね



「………しぶといやつら………」


そう呟いた男の手には、血がべったりついたバットが握られている


目の前に転がっている血まみれの男たち。


息をしているのかさえ怪しい。


ここは、狭い路地のなか


繁華街の闇と言ってもいい。


酒に溺れた男たちの墓場


金に目が眩んだ女たちの成れの果て


そんなのがごろごろと転がっている


そのなかを平然と立っているこの男


何ていう根性だろうか


「寝みぃ………帰ろ………」


そう呟くと男は、握っていたバットを投げた


なんていう幸運だろうか


私は、目の前に転がったバットを握りしめ、男に襲いかかった



男は、闇に捕まったのだ




「総長、メシが出来ました!」