愛の謌交響曲Ⅰ

作者夢花

「お前は、独りじゃない」

「もう、何も抱え込まなくていいんだよ」


 そう、言って抱きしめてくれた。

 そのぬくもりが慣れなくて、嫌で、離れようともがいたけれどあまり力は入らなくて。

 泣いた。大声を、上げて。

 大丈夫だよ、って、怖くないから、って。

 そう言ってくれる、確かな存在。

 …………今まで、泣いたことなんて、なかったのに。