雲流 彩雨

才能
 “時を奪う”という発想は、才能に恵まれたゆえに生まれたのだと思う。更に、思いついて、それを形にできるのもまた、才能に恵まれたのだと思う。
 キャラクターは魅力的でかつ書き分けができており、話の展開も面白く、常に先を意識するようにして飽きさせない――その辺りも、素晴らしい。
 ただ、気になる点もいくつか。
 まず、表現力。所々にわかりにくい表現があったりする。
 次に、話のテンポ。時々早すぎて、読者が置いてけぼりを喰らうことがあるかもしれない。もう少し、この場面に浸っていたいと思った部分があった。
 他にも、いくつか。けれど、作者様の年齢を考えると、まだまだ伸びしろがあるので、もっと頑張ってもっと良い作品ができると思う。作者様の若さが羨ましい。
 実際、最初の10ページと90ページを見比べると、明らかにレヴェルが違っている。
 もしかすると、作品が完結する頃には、とんでもない作品に化けているのかもしれない――。