総天然色 (フルカラー)

作者莉里

君に恋した私は、ただ、このつまらない世界から抜け出したかっただけなんだ――




「光浬」



君の、私を呼ぶ声が

大好きだった。



「合格発表の日、OKならこの桜の木の下に」



だけど、



「何考えてんの?」



一度狂い始めた歯車は



「李玖のこと、考えてる」



もう二度と

止まることはないと知った。



「会えない」と

ただ、漠然と思う。




「ねぇ、逢いたい――」




――いつになったら、また逢える?



※12/10 P36~41まで更新。