暴走族とカッターナイフ。

作者璃空

自殺未遂を繰り返す主人公、それを救ったのは暴走族だったー・・・



『・・・また傷、作ったんだね』


『・・・・』


『今日は何箇所に傷を作ったの・・・?』


『・・・・』



私の手に握られているのは





【カッターナイフ】



いつからだろうか、【死にたい】

そう思ったのは。


誰も止めてくれない。止めてくれなくていい。

私は“死ぬ”のだから。


最近自殺行為をする回数が増えた。

手首には無数の傷。


この傷を癒してくれる人は

いるのだろうか。

いないだろう。


今日こそ“死んでみよう”


悲しむ人はいないのだから、声をあげて泣く人はどこにも居ないのだから。




完全に平常心を失った私、その時、部屋の下から聞こえた音はー・・・



【無数のバイク排気音】



私を救ってくれたのは、“暴走族”だった。