太陽の欠落

作者葵 小鳥

「月になりたい」そう願う十六夜は、月のようなクラスの中心人物・白羽と太陽を探し出すことになる。「必要とされたい」その一心が、二人の気持ちに光を与えていく。


太陽を探し出せ


なんて、私に見つけられるはずがない。

だって私は「雲」なのだ。

雲は太陽を覆い隠してしまう、雨を降らせる存在。


そんな私がどうして太陽を見つけることができるのだろう。


私は月になりたい。

真っ白な、美しい月に…―


だけど月はこういうのだ。


俺は、太陽になりたい、と。







作中に使用させて頂いている作品

『子どもたちは夜と遊ぶ』上・下

辻村深月・著

講談社文庫 2008年5月15日