鉄屑だらけの荒地が物語の舞台。
ここに住む人間達は、体のどこか一部が灰色の金属
みたいなものでできており、その部分がどこにある
かによって種族分けしていた。
種族によって身体能力の高さや特殊能力、果ては
寿命まで違う為、種族分けは差別意識を強調する
もの以外の何者でも無かった。
誰が悪い訳でもないのに、いがみ合う人間達。
だがそれでも、「死体の処理」だけは協力し合う。
どういった原理かは不明だが、彼らは死ぬと、その
肉体だけが動き出し、今までに死んだどこかの
誰かに変身する。
そして生きる為に生きた人間を食らうらしく。
見た目には普通の人間にしか見えない化け物は、
実に巧妙に襲い掛かって来るのである。
これは「人間から生まれた人間そっくりの人間を
食らう化け物」と戦う人々を描いた物語。
この異常で過酷な世界を、強く逞しく、時に後悔し
ながら生きる姿をどうか見てやって下さい。