「相馬港まで連れて行け」


真っ赤な車の運転席で煙草を蒸かしていた彩織は、突然首に刃渡り15センチもありそうな包丁を突き付けられた。


開いていた窓から凶器を差し込んでいたのは、まだあどけなさが残る少年だった。