精霊馬/塩見 悟
ここちよい寂寥感評点[80/100]時代に置いていかれた、中世的な趣をもつ過去の街。石畳を照りつける殺人的な日差し、街の底には陽炎。その一角、祖父の代からつづく喫茶店が話の舞台になっている訳だけど、その店内の様子が外とは相反して涼しげでいいです。そしてラストがまたいい。淋しい、しかし、みょうにすっとする。お盆、っていい風習だなあ。余韻ののこる素敵な作品でした。