「おかあさーん。なにしてるの?」
「あら、加奈子。ちょっと懐かしい本を見つけたのよ。」
そういってお母さんが見せたのは古臭くて、黄ばんだ一冊の本。
「うわあ・・・なにそれ。きったなーい。」
「お母さんも加奈子と同じことを言ってたわ。どうせ今週末は暇なんでしょう?読んでみなさい。」
そういって母はその黄ばんだ本をこちらへ渡した。
「えー・・・やだよこんな古臭いの。」
「文句言わないの。お母さんの、・・・おばあちゃんの、ひいおばあちゃんの、宝物なんだから。」
推しに押され私はしぶしぶとページをめくっていった。