屋上の入り口の、鉄のようなくらい灰色のドアを開けたら、生暖かい風が校舎に流れ込んだ。

 熱くなったコンクリートに足を踏み込む。

 青空に浮かぶのは、白い薄いすじ雲。聞こえるのはせみの鳴き声。

 そして、屋上には先客が居たんだ。


 夏のとあるお話。