栗栖ひよ子
ヌガーのような後を引く童話
短いお話なのに、映像が目の前に浮かんで、ショートムービーを見ているような作品でした。
ディズニーの、「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」のような、ちょっぴりの不気味さのエッセンスが入った、童話風の物語です。
ハロウィンを、子供たちではなくて、迎えるほうの視点で描いたのが、とても好きです。
自分の視点が家で固定されるので、ノックの音がするたびに、「次は誰が来るのかな?」とワクワクして読むことが出来ました。
最初は、「特別なお菓子」って何だろう!?
と気になって仕方なかったのですが、
あえて詳しく書かずに、ここで終わらせたのも、読者に謎という余韻を残して、絶妙だなと感じました。
まるでヌガーを食べているように、読みやすいのに、何だか後を引いてしまう物語。
敢えて言うなら、誤字脱字が少し気になってしまいました。
ハロウィンの夜にぴったりな、ちょっと不思議でクセのある物語です。
私も、特別なお菓子、食べてみたいなぁ!