やれやれ、疲れましたな。
おや、これは失礼を。
私、一介の御者でありまして。
お嬢様がお帰り遊ばされるのを御覧の通りお待ち申し上げている次第なのですが。
もうかれこれ半年も午後のお茶が続きますと、
いくら御者といえども疲労困憊。
しかしお帰りを催促するわけにもいかず、
嗚呼、どうしたら宜しいのでしょう。
先程から馬の轡が溶け始めておりますれば。
いずれは、手綱までもが腐臭の中に埋もれてしまいます。
親切なお嬢さん。
どうかお嬢様達の御様子を伺って来てはもらえますまいか?
御見つけできたのならどうか、
一言宜しく出来ましょうか?
・・・おお!左様で御座いますか!
ではお願いいたします。