セクロス公務員ダン

作者谷口無当

水戸ダンは、国家が認定した次世代遺伝子「DNA2.0」を持つセクロス公務員である。様々な女性と交配するのが彼の仕事であった。

時は2015年7月の初夏、セクロスが職務の公務員が新たに設けられた。


この職種が誕生したのは、2010年に、生まれつきネットに接続された状態の日本人、水戸ダンが発見されたことに起因する。ダンは、Wi-Fi端末の近くに寄ると、目で物を見るように、インターネットを検索することができた。


政府は、ダンを次世代遺伝子「DNA2.0」に認定し、急遽、この遺伝子を国中に普及することによって、国力を強化することにした。そしてついに、DNA2.0構想に基づくセクロス公務員の新設を、そのまんま東首相(元宮崎県知事)が宣言したのである。


セクロス公務員第一号となったダン。彼には、セクロスのライセンスが与えられた。このライセンスをもつ者は、誰とセクロスしても法に問われない。


日本が国際的な競争力を急速に落としつつある今、一刻も早い人間開発が求められていた。


急げダン!国家のためにセクロスせよ!