そして、歌うときが来た

作者由岐

彼の歌は…


悲しみに充ちている。


だけど、なぜか、惹かれている、自分がいた。


そして、ある日ー、


彼は、自殺した。

俺を残してー…。


そう、彼は。


俺の"父親"だった。


そして、俺が惹かれてやまないボーカリストでもあった。


彼は、残酷だ…。


俺を残して…

逝ってしまうなんて…


と、そんなとき…


俺にも、救いの手が舞い降りたのは。


その人は、天使の面をした悪魔だったけど、


俺は。愛していた…



そう、愛していたのだ、心の底から…。