『ひみつきち』はぼくらの理想郷だった。
先輩から後輩へ、先輩になった後輩からそのまた後輩へと。
そうやって何十年もの間引き継がれてきた『ひみつきち』は、いつしかとんでもない規模の、そう、一度は誰もが憧れたような理想郷となったのだ。
そして、ぼくとあいつとあの子は──
遠く、本当に遠くなってしまったあの夏のはじまり。
最初にぼくは、ここまで引っ張ってきてくれたあいつらに。
心から、ありがとう、と──