季節は春。
暖かな風と花の香りが心を踊らせる素敵な季節…
新東京情報処理局情報処理課の面々もそんな穏やかな時間を満喫していたが、事件は知らない所で起きていた。
「どうしたの?ヤイコちゃん?」
ユリは邪畏子の様子がおかしい事に気付いた。なんだかそわそわしている。
「え?…うん、そうね…。ここんとこ平和すぎて逆に不安っていうか…妙な胸騒ぎがするわ…。また妙な事が起こるんじゃないかしら…」
邪畏子は処理課の窓から外を眺めた。
空気は目に見えて暖かく、どんどん春めいて来ている。
処理局入り口には桜並木があり、今が丁度見頃だ。
「…さくらが綺麗ね。」