東京旧市街・無法地帯

作者夏菜

最愛の人に会うために無法地帯へと乗り出した時雨が見たものは…果たして―――


         21xx年



政府は国を守ろうと、ある無慈悲な決断を下す。



それによって、分裂された二つの日本という名の地獄と天国――――――



家族と親子、恋人に友人………



10月


最愛の恋人を取り戻すために、20歳前半になった時雨は誰もが恐れる『東京旧市街・無法地帯』へと乗り出した。



果たして、そこで時雨が見たものは、幸か、それとも――――?



 「お父さん、お母さん。私は、この世界に生まれて、とても幸せだったよ。

私たちは、とても可哀想で、そして、とても幸せだったんだ」