「東京は眠らない」とは
誰が行った言葉だったか─────
摩天楼の最上階に位置するレストランから外を見下ろす俺は、ふと埒もない思考をよぎらせた。
天の星々を地面に引きずりおろしたような大小の輝きたちを見下ろしながら、まさか自分がこのような場所で、しかも美しい女性を目の前にした食事ができるようになるとは、去年までは想像もできなかった。