迷い巡りて恋うままに

作者柏木 冬夢


私が目を覚ましたのは寂れたお寺の裏だった

私が知ってる世とは程遠い墨色に包まれた世

何も持ってない、覚えてない

唯一覚えてるのは先代を継ぐのが私となったこと……

何を継ぐんだっけ……

私は―――




妖狐?