夏とたんぽぽ

作者夏目

いつも無口で無表情な彼女の
ふいに見せるやわらかい表情に
主人公は少しずつ惹かれていく

そんな物語りです*。・



チラリと右隣を見る。


彼女は

道端に咲いているたんぽぽを

アイスキャンディーを食べながら

見下ろしている。


そんな彼女の左隣で

俺は座り込んで、

同じくたんぽぽを見つめている。



(ただのたんぽぽじゃん・・・)



彼女がたんぽぽを見て

何をおもっているのかは、

俺には解らない。



「・・・」


「・・・」



二人無言で

たんぽぽを見つめていたら

彼女は、たんぽぽから目を離し、

いつも行く駄菓子屋さんの方向へ

歩いて行った。


そんな彼女の後ろをついて行く。



(わかんねー・・)



しかし、

ゆういつ解っていることがある。

それは最近解ったことで、


俺が彼女を好きだということだ。