かんな

哀しい遊戯~金魚すくい~
今時の10代の援交など、ありふれた話だと思っていた。金のために割り切って体を売る。だがこの物語の主人公マドカ/ユイは、300人近くの“客”をとっても、自分を汚いと感じ、剃刀で腕を傷つける。マドカはおそらく、高校で陸上を続け、実業団に入るというシナリオ通りに人生が進んでいたら、この物語のような体験をしなかったのではないか。スポーツに汗を流し、勉強もできる“よい子”は、遊び方を知らなかったのかもしれない。真面目なゆえに、堕ちる時は真っ逆様。たどりついたのは、独り遊び―金魚すくい。