「あなたへの手紙」


あて名のないてがみを書いたことがあります


それを郵便ポストに入れずに


楡の木の穴にいれたことがあります


まだ逢ったことのない女の子へのてがみでした


愛のてがみでした


ところが そのてがみに返事がきたのです


おてがみありがとう


愛のてがみに 愛のてがみで


お返事できるのがとてもしあわせです


この返事も


ほんとはぼくがじぶんで書いたものです


ぼくが今より若く まだ人生の苦渋を知らなかった頃


空はいつも真青だった




少女のような詩をイメージで走り書きます。