生きていても楽しいことはなにもない。
愛する家族の死、
───近親相関。
生きるのが辛い。怖い。
・・・僕は死ぬことにした。
自分の過去を拭うために。あの子に謝罪するために。
「その命いらないのならば私にください」
───・・・いいよ、どうせ僕には必要ない。
異次元から来たという怪しすぎる彼女に、僕は僕の体を託すことにした。
・・・誤算だった。
僕は君を愛してしまった。
僕の恥ずべき過去を、孤独で利己的な心を、君は全て受け止めてくれた。
・・・愛してはいけないですか。
彼に向けるその瞳を、僕に向けてはくれませんか。
もう一度、生きてはだめですか────・・・。
・・・どうしても取り戻したいものがひとつだけある。
僕は誇りを、君は愛を。