雨降りピエロ

作者爽穂

キミの顔はいつも大忙し。




アーモンドチョコみたいな瞳は笑うと急な下り坂みたいになるし、




そうかと思ったら、突然10円玉をはめ込んだような特大サイズになるし、




血色のいい薄い唇はこれでもかってくらい尖ったり、伸びたり、右に傾いたり、




泣きボクロもどきと同居するほっぺが風船みたいに膨らんだり。




そうそう、忘れちゃいけない。

朝食前に剃った髭は、夕食前には先っぽちょこんと顔を出していたね。




せまいおでこは毎日おかしな寝癖で、前髪のセンター争い。





無数の空の星ほどキラキラ変わるキミの表情を、からかったり、ドキドキしながら見つめたり。





そんなキミとの時間の全てが、今も忘れられないよ。