音の無いこの声を。

作者冬堂 晴




ああ


もう決して届くことはない





何度叫んだだろう




君の名を 愛してると叫ぶこの声を






君の世界から音を奪った




残酷な仕打ちをした神様よ





この声だけは




どうか届けてはくれないだろうか






この声さえ 届けられたなら





変えられる気がするんだ






永遠に変わることのない




君の




音のない世界を。