“内なる他人”との奇妙なやり取りで綴られる、多重人格的サイコホラー。もし自分の中の“他人”が犯罪を犯したならば、罪は誰が購う……?
“藤島 海里”(フジシマ カイリ)は、自分が他の人間とは違う事に気付いていた。彼は度々意識が途切れる症状に悩んでいた。気付けば見知らぬ場所に立っている事も在った。が、その間の海里の様子を他の者に訊ねても、別段通常と変わりはないと言う。
そんな摩訶不思議な症状に悩み続ける海里の元に、ある一通の手紙が届く。差出人には“ハザマ”と書いてあるその手紙が、海里にとって悲劇と苦悩の始まりだった。