心の雫、空の涙。

作者



雨の日に逢った、一人の男性。


無表情で、瞳に色を宿していなくて、


視線を交わしたとき、心を捕えられたような気がした。




茶色の髪。


漆黒の瞳。


色のない、心。



その全てが、私の心を捕えて離さない。


哀しくて、

切なくて、

寂しくて、


そう、どこかで叫んでいた、――彼。