しき

甘酸っぱくて、爽やかな初恋
商業誌の少女小説の賞獲得経験者だけあって文章がしっかりしているので、読みやすかったです。

小学生の恋模様がリアルに可愛らしく描かれていて、こんなこと“あった、あった”と思いながら懐かしい気持ちになりました。

小学生から中学生になって、彼の誕生日に告白しようとする主人公。
幼い恋心が一端の独占欲を伴うものへ変わっていく過程はこの物語の中では書かれていないもののその過程を容易に想像することができました。
恋も主人公自身も成長したんだなって思わせる文章力はすごいです。
ラスト恋の掛け橋的役割をする“魔法のりんご”というアイディアは甘酸っぱくて爽やかなこの作品のイメージにとてもよく合っていたと思います。