――――私には、恋とかわからない。そんな鈍感少女が、少しずつ恋を知っていく…………。
――――夕方、学校から帰る途中の坂道。
いつも自転車に乗っている彼に見てもらえるように、
少しだけ早歩きして、彼に会えるようにする。
彼はすぐに通り過ぎてしまうけれど。
―――ねえ、私のこと……覚えてくれた?