いよいよ今年もやってきた。文化祭の季節が。
「私たちのバンドでギターをやってくれないか?」
友達の紹介で会った軽音部部長は開口一番、そう言って僕をあっさりと暗闇に陥れた。
ひけない・・・無理・・・
失敗する・・・こわい・・・
イヤダ
「それは…なんらかの理由でひけないの?それともひきたくないの?」
「どっちもですよ。弾けない。それに弾けたとしても弾きたくない」
「弾けない理由は?」
弾けない理由・・・ ?
わからない
なぜなのだろう
・・・から? 怖い─ から? あの日から─
一体どーなっちゃうんだろーね、僕の青春は。