平凡に生きる淡藤は、優しくも冷たく生きる白菫と、雪の降る夏を探し、歩く。
まっさらな夏を迎えた。
真っ白な雲と、あり得ないくらい青い空。
汗ばんだ肌が感じる風は真夏の匂いを運んで、するりとそばを通り抜ける。
「君はどこまで行くの」
「雪降る夏の空を見るまで」
(雪が降る夏を歩いた淡藤と白菫は、)
(どことなく、オワリの存在を感じていた。)