むにえな

読みにくい。が、
タイトルが気に入りましたので、読んでみました。
途中で2回ほど、評価が大きく変わりました。

1章は読みにくく、途中で投げ出しそうになりました。
誰からの目線で話が進んでいるのかが分からなく、また、登場人物が一気に現れてきた感じがありましたので。

2章の愛が延々と話し続ける部分に、私は妙に心惹かれるものを感じたので、そのまま一気に読みきりました。
「その真紅も、愛の妄想だった」という終わり方すら想像していました。
そこまで突き抜けてくれれば、よい、と。
愛の言葉に「聞いていてみたい」と感じない方の場合は、余計に話題が読めなくなりそうだとは感じます。

3章は真紅の視線で、なぜかヒューマンドラマになってしまった、と感じてしまいました。
ふたりの関係がよく分からない――愛の語りで文章の大部分を占めている――ので、ふたりの友情にはさしたる共感が得られなかったのです。
2章であれほどに愛が一方的に語ったのに、最後は視点が変わってあっさり終わったように思えました。