"山田"。
西暦2025年現在、日本においてそのありふれた姓を持つ者は、およそ10人にひとりといった割合にまで増殖しようとしていた。
つまり、学校で考えると、30人のクラスには約3人の山田が存在するということだ。
このお話は、あるふたりの普通な山田の、普通じゃない物語――。