「トーコ。
お願いがあるんだ」
震える薔薇色の唇が歪んでみえた
──「いいよ」
ねぇ、好きだから、お別れしてあげる。
私には、甘いキオクと形見だけあれば大丈夫だから。
私から、背中を押してあげる。
start:20090112