君は花にも涙を濺ぎ

作者てん

「好き、って言って欲しかった」六月のある日、君は花にもナミダをそそぎ。通り過ぎる視線は、俺の親友の元へ――切ない純愛小説。執筆中です。


俺がどんなにおまえを見ても。


どんなに気持ちを伝えようとしても。


咲月。


咲月は、俺よりあいつを見てた。


通り過ぎる視線は、俺の親友のもとへ。






――「好き、って言って欲しかった」






別に、咲月が幸せなら俺はよかったんだ。


でも、


6月の雨が降る中、




君は花にも涙を濺ぎ――




俺は『諦める』という言葉なんて、忘れてた。


放っておけなかったんだ。





キミは、ハナにもナミダをそそぎ。