まっしろなカーテン、まっしろなベッドにシーツ、まっしろな壁。

神経質なほどに白い部屋の中で、黄ばんだ天井だけが、唯一のリアルだった。


瞼が重く、こめかみの辺りから後頭部にかけて痺れている。

起きぬけ以上の思考の鈍さに、今が夜であることしかわからない。

筋繊維のあちこちが切り裂かれているのか、体を動かすたびに痛みが走る。

不意に吐き気が込み上げ、訳もわからずに吐いた。

あるもの全て吐き出しても、胃は痙攣し続けている。

吐瀉物が、ベッドに黒く染みを作った。


口の中と、一帯に薬の匂いが起ち込める。