三次元【完】

作者犬子

雨が降っている

それと同時に

季節外れの

桃色の花弁が舞っている


雨粒と花弁が交じり合い

入り乱れ

地面に降り注ぐ


冷たいコンクリートの上には

灰色の水溜りと

桃色の花弁が浮かぶ



誰かが言った


「雨粒を絶望花弁を希望とする

――どちらが多いと思う?」



誰かが答えた


「―――雨粒」









絶望と希望が

二人を斑に染めていく