雨が降っている。
それと同時に
季節外れの
桃色の花弁が舞っている。
雨粒と花弁が交じり合い
入り乱れ
地面に降り注ぐ。
冷たいコンクリートの上には
灰色の水溜りと
桃色の花弁が浮かぶ。
誰かが言った。
「雨粒を絶望。花弁を希望とする。
――どちらが多いと思う?」
誰かが答えた。
「―――雨粒」
絶望と希望が
二人を斑に染めていく。