舞台は北海道。
一人の女性が今日も空を見上げていた。
人間の一生は宇宙(そら)から始まり宇宙(そら)で終わる。
さようならも愛しているも宇宙から生まれた人間の呟き。
皆生まれて、死んでいく。
ソレガハヤイカオソイカ、チガイハソレダケ。
もう私は地球にはいられないから。
空からそんな君の声が聞こえた気がした。
もうここには君はいない。
君を埋め尽くす色も形も無い。
この隙間を埋められるものは何も無い。
一つを除いては。
君が残してくれたもの。
それを思い出せば今日も僕は笑顔になれる。
ただ、そんな気がした。
自信も確証も無い。
だけどこの笑い声を聞くだけで幸せになれる。
それは、唯一つの光。
曇天の隙間から顔を出した太陽のように。