幸彦

低視点からの表現
神の視点とも言われる俯瞰的表現はよくみる。恋愛物にはこの視点はそぐわない。なぜなら感情移入しにくい為、読者が物語に入り込めないからだ。同じ理由で、他人が二人を傍観した表現もよろしくない。やはり男女どちらかの視点で主観的直接表現したが面白いのだ。
しかし、この作品は、男女の心の動きを彼らの主観で描く事なく、他人(ぬいぐるみだから他物?)の視点から描きつつ、二人の心の中を上手く表現している。
この作者の文章力、読者牽引力は、『~24時間』と同じく、驚愕すべきものだ。

…と、こんな視点で見なくても、面白いものは面白い。